NO WAR
ウクライナへの侵略戦争を起こしたロシアは,情報操作,虚偽報道,言論弾圧をつよめ,反戦を表明する市民に禁錮刑や罰金刑、行政罰を科す法改正をした。日本も太平洋戦争で同じことをしてきた。改めて,領土侵略者は,このようにして自国民を戦争にかりたてていくのだと知った。侵略者は,侵略先の国・地域で,住民殺害,性暴力,強制連行,人身売買,収奪など,あらゆる残虐,悲惨な人権侵害を起こす。これらから逃れるために,市民は避難を余儀なくされる。築き上げた財産,家土地,コミュニティをすべて失う。
これまで,ウクライナの女性がロシア兵から性暴力を受けたというニュースを何本も読んだ。今度は,夫をウクライナの戦地に送り出したロシア人の妻が,夫に現地での強姦を教唆するという驚きのニュースがウクライナから発表された *。
以下に,ニュースのタイトル,リード文,ニュース本文冒頭を引用する。
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調査報道チーム、ウクライナ女性への性暴力について話すロシア人男女の身元を特定
(リード文)ウクライナの公共放送局「ススピーリネ」の調査報道番組「スヘーミ」の記者たちは、ニュースサイト「ラジオ・リバティ」編集部と共同で、ウクライナの保安庁(SBU)が通信傍受して発表した、ウクライナ人女性への性暴力に関する会話の声の主であるロシア国籍男女を特定したと発表した。
(本文冒頭)15日、ラジオ・リバティが調査報道番組を公開した。 SBUは4月12日に、ロシア兵と配偶者の女性とされる2名の通話の一部を公開していた。その際、女性の声は、男性に対し、笑いながら「そこでウクライナのばあさんを強姦してきなよ。で、私には何も言わないでね。わかった?」と話していた。(本文冒頭のゴシック体は筆者がつけた)
UKRINFORM, 2022年4月17日
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経緯はこうだ。12日,SBUが,傍受したロシア人2人の会話を発表。これを受けて,記者たちが,2人の電話番号を入手し,番号からSNSを通じて2名の身元を特定した。2人は,ロマン・ブイコフスキー(27)と,その妻オリガ・ブイコフスカヤ。二人とも露オリョール州の出身。夫はウクライナ南部ヘルソン州にいて,妻とこの会話をしていた。
兵士は侵略者の片棒担ぎ。その妻はその片棒担ぎの家族。普通なら,夫の無事帰還を祈って停戦と平和を望む立場だが,彼女はそのように思考しない。
彼女は,夫の無事帰還を絶対的に信じている。よもや夫が重大な怪我をしたり死亡して帰ってくるなど想像にもない。その楽観的な思考の背景には,ロシアのウクライナ侵略戦争の正当性,ウクライナ軍に対するロシア軍戦力の圧倒的優位性への信念がある。ロシア国内の偏向報道が,彼女にそのように思考するよう誘導してきたのだろう。
ロシア兵の妻が,夫が侵略者の単なる片棒担ぎであることを超えて,りっぱな侵略者になることを教唆する。おなじ女性として耐えがたい強姦という方法で。この歪んだ理解は,みごとな情報操作,虚偽報道のおかげだ。
今,ウクライナで,ロシア軍の戦争犯罪を証明するための証拠集めがすすめられているという。このような情報発掘は,ウクライナでの悲惨な戦争犯罪の証拠を補強するものとなるかもしれない。ロシア市民の間からも出てきてほしい。
* 調査報道チーム、ウクライナ女性への性暴力について話すロシア人男女の身元を特定,UKRINFORM, 2022年4月17日
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