水戸市長選:戦争と原発回帰に抗する市長を求める

20歳で選挙権を得てから,学校はサボることがあっても選挙は棄権することなく,ずっと野党候補に投票してきた。野党候補を支持してきたのは,子どもから大人になる頃に経験し学んだ差別問題があり,大学での婦人解放問題研究会(婦問研)での学生運動の経験が,その根源にある。

女性への根深い差別への問題意識は,母の姿を見つめることで育まれた。

私が小学3年の時,母は,夫をなくし,高校3年の時,自死した。私は,母と同性の子どもだったから,家父長制をバックにした,妻や嫁に対する強烈な抑圧や陰湿ないびりがよく見えた。母は,心のうちを言葉にすることは決してなかったが,同性の私には,いろいろなものが見えていた(つもりだった)。辛かった。母を守りたかったが,そのための言葉も方法も知らなかった。

私は,大学に入って迷わず,婦問研に入り,学生運動へと進んだ。ここで,社会科学の実際を学んだ。

部室は,部落解放問題研究会(解放研)との同居だった。ここで,部落問題を知り学んだ。

部落差別については,忘れられない思い出がある。母が生まれ育った奈良県内の集落近くに被差別部落があり,母は,部落の人たちに向けた周囲の大人たちの差別偏見を受け継いでいた。母が,子どもの私に「差別されるにはされるだけの理由がある」と,教えるように言ったことがある。その時,なんてひどい差別意識だと思った。でも,私は,母の差別意識を非難するよりも,母にそう意識づけさせた,当時の村落社会のありようやその閉鎖性を思った。

私の野党支持は,大人になろうとする頃に経験し学んだ差別問題,特に女性差別問題と,それが維持し続けられる社会システムへの批判が根底にある。


さて,来月4月の水戸市長選に,革新の大内久美子さんが出馬する。革新の女性が市長になることの意義はとても大きい。

なによりも,政治を利権構造から断ち切ることができる。市民の生活と生命を守るには,利権と無縁の政治にしないといけないが,4期目を目指すと公言した高橋市長は利権にまみれすぎている(あるいは,氏の後継候補はその利権を引き継ぐだろう)。絶対に市長にしてはいけない人である。

戦争の問題がある。水戸には原発の問題もある。水戸市にある茨城県庁は,東海第二原発からわずか20km,水戸市庁も15kmほどである。

政府は,戦争の危機を煽りながら,その一方で,あろうことか,「原発回帰」を進めようとしている。もし,戦争が起こって,核兵器になりうる原発が攻撃されれば,焦土とならずとも水戸市は放射能で汚染され,水戸市民は,生活も仕事もすべて奪われることになるだろう。健康をそこなうかもしれない。戦争と原発回帰は,市民の生活と生命を脅かす重大な問題である。

では,原発再稼働問題に対する高橋市長のこれまでの態度はどうか。

彼は,福島第一原発事故直後,水戸市長になった。以後12年の間,国や県にいっさい抵抗せず,「原発回帰」政策についても何も発言しない。市民に対して,不誠実であり続けた市長である *。

しかし,革新女性市長になれば,戦争と原発を進めようとする国の圧力に抗して,市民を守ることに徹する市政への転換が実現する。

水戸市には,核兵器廃絶平和都市宣言がある。宣言を今いちど読み返したい。今,宣言の趣旨を汲み取って,戦争と東海第二原発再稼働に反対する市長にしなければいけない。



「水戸市長選:東海第二原発再稼働問題について」,2023年3月17日




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