学校にも忖度教育が広がっているのか
たまご新聞 No.1093(すずき産地,北茨城市磯原町木皿1399,2019年7月12日)のトップ記事は,「地方行政にも忖度が蔓延!?」である。この記事は,たまご新聞No.1092「草刈りアート 草刈り跡で描くメッセージ NO ABE」の続きである。
No.1092は,茨城県高萩工事事務所・河川整備課が,予算や発注業者の作業段取りなどという理由で,県が管理する河川の土手の草刈りを依頼してもなかなか来ず,すずき産地さんが「NO ABE」を浮き上がらせて草刈りしたという記事だった。すずきさんはこの記事の後,「モリカケ」も描き,それらを石灰で縁取った(写真)。
写真 土手の草刈りアート「NO ABE」と「モリカケ」
(すずきさんより許可をいただきfacebook掲載写真を転載)
No.1093は,上の記事を見た県事務所が,夜半,電話してきて家を訪問したい,草が伸び放題の場所でなくピンポイントで刈るという。
「同じ堤防に同じ草刈りアートで,3年前の『NO WAR』には,市からも県からも何の反応もありませんでした。それが『NO ABE』と描いたら,このアタフタ。市や県のレベルまでアベ独裁と忖度は及んでいる!?と驚くやら笑っちゃうやら。でも,この国の行政の意識は恐ろしい段階まで来てしまっているのかもしれない」と述べる。
私は,この記事を読んで, 7月5日の星空講義での出来事を思い出した。この日の講義は,角田京子さんの日立駅頭での「さようなら原発1000万署名」活動紹介で,角田さんが「『学校の先生が,署名しちゃダメ,と言ってます』と言って,決して署名しない制服グループがある」と指摘していることに触れた。この講義の後,話を聞いていた方一人が私のところに近づいて,自身も同じ経験があるということを教えてくださった。
署名活動は,社会問題の解決に向け政策の変更,要求実現を求める行為で,運動は多かれ少なかれ現政権,政策への批判を含んでいる。学校が,子どもたちに街頭で署名をしてはいけないと指導をすることは,現実の社会問題や現政権批判に触れ,考えさせ,自身の考えを明らかにすることを封じようとするもので,児童,生徒の思想良心の自由,表現の自由を侵している。人権を制限するこうした教育が何の問題もなく広がっているようだ。
安倍政権への忖度は,国政だけではない。地方行政にも,さらには学校教育にも広がっているということを理解しておく必要がある。
参議院議員選挙投票日が明日に迫った。自分で考えて投票しよう。
2コメント
2019.07.20 13:54
2019.07.20 08:39