東京新聞の記事の間違いを整理した(2021年1月14日記事)
1月23日の論考で東京新聞の記事の間違いを指摘しておきましたが,一体どれだけあるのか,調べました。
「無作為抽出なのに…選ばれていない原子力機構職員、代理出席 原発問題話す東海村の村民会議で」,東京新聞web版,2021年1月14日
間違いは6箇所もありました。6箇所とも,会議の参加者決定方法(ちゃんと定義がある)を正しく理解していなかったことが原因です。
1. 記事タイトル「無作為抽出なのに…選ばれていない原子力機構職員、代理出席」
ー> (無作為抽出で参加者に)「選ばれていない」は間違い。無作為抽出は,会議参加への「案内」状を送付する住民を絞りこむ方法です。その「案内」を受け取った住民が応募して初めて参加者になります。
2. 「参加者は無作為抽出が条件なのに、日本原子力研究開発機構(原子力機構)の男性職員が、選ばれた妻に代わって出席していた」
ー>「選ばれた妻に代わって出席していた」は間違い。選ばれた(正しくは「抽出された」)から即,参加者になるのではありません。同上
3.「無作為抽出された住民が地域の問題を話し合う」
ー> 同上
4. 「参加者として住民基本台帳から村民1000人を無作為抽出し、昨年12月の第1回には、うち18人が出席した」
ー> 同上
5. 「(参加通知が)妻に当たった」
ー> 「参加通知」は間違い。正しくは会議参加者への応募の「案内」。それに,「通知」が「当たる」というのもおかしい。通知は受け取るものです。
6. 「筑波大の佐藤嘉幸准教授(社会哲学)は『通知を受け取っていない人が参加するのは、村の縮図を再現するという無作為抽出の意図に反する。 』」
ー> 「通知」ではなく「案内」。「案内」を受け取っただけでは会議に参加できない。「村の縮図を再現するという無作為抽出の意図」も間違い。無作為抽出は,案内を送る住民を絞り込むための方法です。
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