3月28日の秋本衆院議員の水戸講演会は開催してほしい
自民党の秋本真利衆院議員(千葉9区)が,3月28日に水戸市内で「脱原発」講演をする。講演会は「自民党発!『原発のない国へ』宣言」(東京新聞)の出版を記念して企画された。
秋本氏は,超党派の議員連盟「原発ゼロの会」に所属し、洋上風力発電新法の制定に注力し,本では,その課題や必要性を述べている。新法は,残念ながら,カジノ法案などが上程された国会で,審議未了のまま廃案となってしまったが,氏は,再生可能エネルギー推進の国会における重要な担い手だ。
その秋本氏の講演会について,自民党茨城県連所属の県議が,12日,東京・永田町の党本部で二階俊博幹事長と面会し,秋本氏に講師の辞退を促し、従わない場合は処分を検討するよう申し入れた,というのである *。県連の海野透会長代行,葉梨衛会長代理,西條昌良幹事長と,日本原子力発電東海第二原発が立地する東海村選出の下路健次郎氏の4人が申し入れた。
秋本氏の著書は,「原発のない国へ」が書名に入っているが,原発反対は冒頭ですこし触れられているだけだ。本の主題は,再生可能エネルギーをどう拡大するか,国会議員としての取り組みをつぶさにまとめたものである。この本の主題が講演されるとすれば,原発反対そのものではなく,再生可能エネルギー拡大だ。
自民党茨城県連は,なぜこんな行動に出たのだろうか。東京新聞によれば,主催者に,野党関係者が含まれることを問題視しているという。
下路県議は,東京新聞の取材に「秋本氏が脱原発の論陣を張ることに異議を唱えるものではないが、地元の事情を顧みず、反対勢力に呼ばれて県連に断りもなしに来るのは反党行為だ」と訴えたという。
「地元の事情」とはおそらく,東海第二原発の再稼働問題が先鋭化しているなか,県知事選と総選挙がある,ということだ。「県連に断りもなしに来る」とは,再稼働問題が先鋭化しているこんな時期に,茨城県民に反原発の思想,情報を植えつけに来るな,ということだ。
茨城は自分たちの島だ。挨拶なしに勝手に来るな,反原発をしゃべりに来るな,とはまるでヤクザではないか。
新聞記事は茨城版だが,ウェブ記事もあるから,県外の人も読める。茨城県民として心から恥かしい。茨城県の魅力度ランキングは,7年連続最下位だったのが,去年秋,なぜか42位にランクアップした。しかし,こんな恥かしいことを平気でやるのが茨城の自民党政治家ということが全国に知れ渡ったからには再度,47位に落ちればいい。
それにしても,もうひとつ,驚くのは,秋本氏は「地元の切実な声はよく分かる。熟慮して対応したい」と話し,一方の講演会の実行委メンバーは「党派を超えて原発・エネルギー政策を勉強するのが目的で,他意はない。自民党は懐の深さを見せてほしい」と求めたということだ。自民県連に島国(県)根性丸出しで恫喝されているのに,えらく物わかりが良さそうな対応で,拍子抜けしてしまった。
言っておきたいが,秋本氏の講演を心待ちにしている県民はたくさんいる。私も,秋本氏がどんな講演をするのだろうと関心をもっている一人だ。知りたい,学びたいという県民の率直な思いをちゃんと受け止めてほしいと願っている。
* 秋本衆院議員 水戸の「脱原発」講演の辞退を 自民県議が二階幹事長に申し入れ,東京新聞,2020年3月13日
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