3月28日の秋本衆院議員の水戸講演会は開催してほしい(その2)

自民党茨城県連が,3月28日の秋本衆院議員の水戸市内での講演会開催を阻止しようとしている。12日,県連の4人が,自民党本部の二階幹事長に面談し,秋本議員の講師辞退を促し,従わない場合は処分を検討するよう申し入れた *。

その前日の夜,東海村で,商工業者らの原発勉強会が発足し,秋本氏の講師辞退を申し入れた県連の一人,下路健次郎県議が講演をした **。

東京新聞によれば,下路県議は「村と原子力は切っても切れない縁がある」,村の予算は原子力関係の税収や交付金に大きく依存していることなど,村と原子力の密接な関係性を説いた。さらに,東海第二原発再稼働の必要な事前了解権を水戸市など周辺5市に拡大することを提案した村上達也前村長の行為は「蛮行」,「周りの自治体は何も理解していない状態で権限をもらっている」と,5市に対する侮蔑的な発言をしたという。

下路県議のこれまでの議会での質疑を見ていても,県民は原発に無知だということを前提にした発言をしており,議員としての資質に疑問を感じていたが,地元の東海村ではもう,言葉を抑制することができず,凄まじいまでの攻撃的な暴言を吐いた。

11日夜,彼が,東海村での原発勉強会でどんな解説,主張をしたかを見てみよう。東京新聞記事には,スクリーンに映し出されたスライドが掲載されている。目を凝らしてこれを読んでみた(便宜的に●の後に番号を振った)。


 5. 原子力問題について思うこと
●1 この地域はエネルギー供給地域である(原子力/火力/ ガス)
●2 首都圏は,他の地域からエネルギーを受けている 

●3 原子力エネルギーに替わるクリーンで効率の良いエネルギーは現時点では存在しない

●4 代替エネルギーでは原子力エネルギーを賄いきれない

●5 送電線網を新たに引き直すことは,現状では困難

●6 東海第一発電所は,未だ廃炉への道が見えない(廃炉の現状)

●7 原子力行政には「穴」がある。その「穴」を埋めるべきである。(現状ではその視点での議論が出来ない)

●8 「事実」と「感情」をすり替えるべきではない。


皆さんには,これら8項目についてファクトチェックをしてほしい。下路氏は, これらは個人の「思い」だから, ファクトチェックには馴染まないと反論するかもしれないが,議員として公表した自身の考えには責任をもってもらわないと有権者は納得しない。

改めて,下路氏が,翌12日,東京・永田町へ秋本氏講演会潰しの申し入れをしに行った時,東京新聞に語った講演会阻止の理屈を確認しよう。

「秋本氏が脱原発の論陣を張ることに異議を唱えるものではないが、地元の事情を顧みず、反対勢力に呼ばれて県連に断りもなしに来るのは反党行為だ」。私は,これを読んで,前回の論考で下路県議はまるでヤクザだと書いた。

秋本衆院議員の講演を阻止したいなら,いっそのこと,下路県議を講演会に招待し,秋本氏との討論会にしたらどうだろうか。 秋本氏が,下路氏の「思い」8項目のファクトチェックもしてくれるだろう。



* 秋本衆院議員 水戸の「脱原発」講演の辞退を 自民県議が二階幹事長に申し入れ,東京新聞,2020年3月13日

** 東海第二再稼働 推進派勉強会が発足 福島原発事故10年の夜に,東京新聞,2020年3月13日

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