日本原電東海第二原発の再稼働に反対する決議(いばらき大集会 2022年8月27日)
8月28日,水戸市内で「STOP!! 東海第二原発の再稼働 いばらき大集会」が開催された。450人が参加した大集会になった。それにしては翌朝の東京新聞の扱いは小さく,集会の最後に採択された決議文は言及もされなかった。
決議文は,原電の再稼働工事の現状と問題,再稼働問題の所在,水戸地裁判決の評価,福島第一原発事故の汚染水放出の問題を丁寧に説明し,東海第二原発周辺の6自治体が手にした再稼働同意権を行使して,「再稼働の同意はしない」と決断することを迫っている。
ここに全文引用したので,ぜひ読んでいただきたい。
日本原電東海第二原発の再稼働に反対する決議
日本原電は,今年2月,東海第二原発再稼働のための工事完了を,再来年(24年)9月に延期することを発表しました。しかし,未だにに「再稼働するかどうかは未定」とし,県や地元市町村との協議は「工事が終了してから」という欺瞞的な態度を取り続けています。
現在,発電所構内には1日約1,800人の作業員が入っているとされ,毎週のように消防および救急車の出動要請があり,労働環境の劣悪さがうかがいしれます。昨年12月から4件の重大な人身事故が発生し,7月以降,148人(8月22日,原電発表)もの新型コロナウイルス感染者が発生するという状況のもとで工事を強行しています。
原電は,工事延期の理由として,「『本体施設』と『特重(対テロ)施設』で1台ずつ儲けることにしていたフィルターベントを兼用化して1台だけとする。その代わりとして空冷式循環冷却設備を設け多様性をもたまた設備構成にする」としています。しかし,その空冷式循環冷却設備なるものやフィルターベントについては,「対テロ施設のために公開できない」として,性能や設置場所について,なんら明らかにしていません。
最も懸念される重大事故時の対応について,住民に説明できない対策工事を行っているということでは,住民の理解が得られるはずがありません。さらに原電が公表している工事費用2,350億円の資金源は,東電を中心とした電力会社が総がかえで行う,つまり再稼働に反対する多くの国民にも電気代として東海第二原発の再稼働のあと押しを強要するもので,まったく認めることはできません。
私たちがかねてより指摘してきた「実効性ある94万人もの避難計画は永遠に策定できない」という主張は,昨年3月18日の水戸地裁による「東海第二発電所の運転をしてはならない」という運転差し止め判決につながりました。住民の命を守る保障がなければ原発は運転してはならないというごく自然な感覚こそ最も重視すべき視点であることを,司法が認めたことは,私たちの日々のとりくみとこれを支援してくださる多くの住民のみなさまとのかけがえのないたたかいの成果と言えます。
いま,岸田自公政権は,ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー高騰や,電力ひっ迫論を振りまき,「新規制基準に合格した原発はすべて動かす」と表明して原発推進の世論を誘導しようとしています。しかしウクライナ危機は,原発が攻撃対象とされるという新たな危険性を浮き彫りにしました。
本集会では,今なお収束できない福島第一原発事故での汚染水の海洋放出に反対する福島からの訴えと,県内の賛同者からの訴えがありました。一度事故が起きれば,ふるさと喪失,大地の海洋の汚染を引き起こし,私たちに災厄を押しつけるだけの原発の再稼働は絶対に認められません。再び原発事故を引き起こしてはなりません。
この私たちの決意を踏まえて,東海第二原発周辺の6自治体が,手にした権限を行使して「再稼働の同意はしない」と決断される事を強く期待します。
今を生きる私たちの理性と知恵と行動で,東海第二原発が動かない安全で安心できる社会を未来へつなげましょう。
以上,決議いたします。
2022年8月27日
STOP!! 東海第二原発の再稼働 いばらき大集会 参加者一同
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