わが家のエネルギー消費2022

レポート「わが家のエネルギー消費」を毎年1月に書いてきた。今回で4本目である。

初回のレポートで,次の年の省エネ目標値を書いた。しかし,目標は思うように達成できなかった。原発事故を経験して以来,省エネを心掛けるようになったこともあり,すでに2013年に対して20%近くにまで減らすことができている。それでも,なおも減らし続けるということは,もう不可能だということが見えてきたので,省エネ目標値は設定していない。。

今年のレポートはあえてレポートするだけの中身がなくなった。もう書くのをやめようかと思ったが,2022年は,エネルギー料金の高騰ぶりが著しかった。省エネ努力を吹っ飛ばす凄まじい高騰ぶりだった。その記録を残すことにした。

まずは,電気使用量である(図1)。2022年は前年比13.2%増えた。

図1 電気使用量の年推移(単位:kWh)


なぜ,1割以上も増えたのか。図2の月々の電気消費の動きを見ると,消費量が増えたのは冬季だったことがわかる。例年に比べて,電気ヒーターを多く使ったからだろう。

図2 電気使用量の月推移(単位:kWh)


灯油は,給湯と暖房に使っている(図3)。2017年以降の消費は,大きくみれば,減少したといえるかもしれないが,もう少し見ていく必要がありそうだ。


図3 灯油消費量の推移(単位:ℓ)


都市ガスは調理に使っている(図4)。2009年以降14年間の消費量は,減少したとはまったく言えない。調理での都市ガス使用量削減は困難だと思い始めている。


図4 都市ガス消費量の推移(単位:㎥)


図5は,電気,灯油,都市ガスの消費量を一次エネルギーに換算して,その構成を見たものである。2017年以降6年間の消費合計は削減できておらず,6年間で最も多くなった。原因は冬季の電気暖房の消費だった。

図5 我が家のエネルギー消費量の推移(単位:一次エネルギー換算量MJ)


エネルギー価格が著しく高騰した1年だった。その高騰ぶりを見るために,使用料金を使用量で割った数値を「単位価格」とみなしてその推移を描いてみた(図6)。電気の単位価格の高騰が著しい。2016年以降,25円前後を推移していたが,2021年から高騰し始め,2022年にはは急騰した。2022年1年間(1月に対する同年12月)の値上がり率はなんと43.9%だった。

図6 電気の単位価格推移(円/kWh)


都市ガスの単位料金は,なぜか継続的に変動するのではなく,毎月,上下に振れ続けており,しかもその振れ幅が大きい(図7)。過去2年間の値上がり率は5.7%,過去1年間の値上がり率は43.3%だった。

図7 都市ガス単位料金の月推移(円/㎥)


灯油の単位料金も2021年以降の値上がりが大きかった(図8)。過去2年間で35.3%値上がり,過去1年間で4.5%の値上がりだった。

図8 灯油単位価格の推移(円/ℓ)


わが家の電気,灯油,都市ガスの「単位価格」の値上がり率をまとめた(表1)。去年の物価の高騰は,ロシアのウクライナ侵略が大きな要因だが,わが家のエネルギー消費で見れば,電気と灯油の高騰は,それ以前からすでに始まっていた。


表1 電気,灯油,都市ガスの「単位価格」の値上がり率

総務省によると、生鮮食品の伸び率は前年比4.0%(2022年12月)だった。これに対して,エネルギーは前年比26.0%,都市ガス代36.9%、電気代26.0%と高騰している *。エネルギー価格の高騰が著しい。

わが家も電気代と灯油代が大きく増加した。2020年12月と2022年12月 とでは,電気代は9,390円から15,766円へ,灯油は7,500円から1,0350円へ暴騰した。ささやかな省エネの努力など軽く吹き飛ばす暴騰である。

生鮮食品の値上げも広がっている。筆者が購読している東京新聞は,トップページ左に,今,この野菜が安い,こんなおかずが作れるという記事を載せるようになった。読者の生活を少しでも支援しようとする心遣いのある新聞記事だが,現在進行しているエネルギーの著しい高騰と生活物資の高騰は,もはや生活破壊レベルである。ヒートショックや寒さで健康を害する人,餓え死に追い込まれる人が出てくるかもしれない。国民の生活と健康を守る政策を早急に実施してほしいと願う。



* 「都区部消費者物価12月は4%上昇、円安・食品値上げで約40年ぶり高水準」REUTERS, 2023年1月10日


「わが家のエネルギー消費量削減 2020年の目標」,2020年1月10日

「コロナパンデミックとエネルギー消費」,2020年11月30日

「わが家のエネルギー消費2020」,2021年1月11日

「わが家のエネルギー消費2021と今年の目標」,2022年1月11日





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